愛人は語る

当然だが

最初、愛人は恋愛至上主義なのである
好きになったものは仕方がない
うっかりしていた妻も悪い
恋愛はすべてなのだ
と語る
時間が経って
自分が次の愛人に男を奪われる段になると
いつまで恋愛なんて言ってるの
くだらない恋愛ごっこで
私の人生はどうしてくれるのよと
怒っている
そして時間が経った分
衰えも隠せないのである