自律神経失調症は不随意神経失調症である
過食嘔吐やリストカットを
随意神経失調症と名づけてみたらどうかと思うことがある
場合によっては
強迫性障害を含めてもいいのかもしれない
もちろん全部心身症としての話が前提である
ストレスに反応して胃痛、下痢、便秘、食欲不振、睡眠障害、頭痛、肩こり、動悸など
これらについては不随意神経と不随意筋の領域なので
気持ちでコントロールするのは難しい
精神力で下痢を止められるはずはないと普通の人は思うし
動悸を意識的にコントロールできるとも思わない
(ただし、神経系として、接続していないわけではないので、
一部の達人は、不随意神経領域を随意的にコントロールできるとしているし、
そのようになれば、症状は消失するというのだが、普通の人には無理)
一方、随意筋は例えば口を動かすことだ。これは自分の意識によって
コントロール可能である。
しかしながら、「口を動かす意識」をコントロール出来るかどうかは
難しいところがある
自分で好きで食べているには違いないが
あとで「しまった」という感じはする
このあたりについては強迫性障害も同じ事情にある
意識的に動かせる部分の話なのに
なぜかうまくいかない
やめたいのにやってしまう
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食行動の異常が非常に不思議に思えるのは、
随意筋と不随意筋の何かしら中間領域にあるからなのだと思う
口のすぐあと、食道になると、そこはもう不随意的な領域になる
あるいは、口がというよりは口を動かす脳の領域が随意と不随意の両方にまたがって存在している
と言ったほうがいいのかもしれない
肛門は随意筋だけれどもその奥の不随意な要素が大きく作用するので
これもまた随意と不随意の中間領域だ
尿排泄についても同様
要するに人体で穴が空いていて外界と交流する場所だ
外性器についてもそうで
意識的であるには違いないが
完全に意識的であるとも限らず
あとで後悔することはあるのだろうと推定する
一方、典型的な強迫性障害は、このような紛らわしい領域ではなくて、
完全に腕を使ったり足を使ったりしている。
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このようにして見てくると
強迫性障害の病理構造を持つもので、かつ、随意神経と不随意神経の移行する部分で発生する病気
と定義して
そのひとつに
過食嘔吐を含めることができるとおもう
(おおかたは、食行動の異常ではなくて、自尊心の低下の問題であるとか、そのような捉え方である)
そうなると治療は強迫性障害の治療が原則となる
半ば随意的なのでなおさら自分の意志の弱さを感じる
しかし半ば不随意的なのでどうしようもないところも大きい
清潔な方がいいが、過度になると清潔強迫であり
この種の人たちはある面ではとても不潔だったりする
魅力的でありたいと思うが過度になると過食嘔吐ともなり
痩せたいと思うあまり痩せすぎて健康を損なったりする
ヘルペスも皮膚粘膜移行部に発生するわけだし
脳の一部、随意・不随意の境界あたりで
多少の混乱が起こっていても不思議はないと思う