治療者の自己有能感

治療者はいずれにしても幻想的な自己有能感に頼っている部分がある

仕事を始めたばかりのころはもちろん謙虚である
この時点で謙虚でないのは、それに対応する欠落がある
しかしそれぞれの進度と深度で治療者は実際に有能感を獲得する
途中経過である程度幻想に頼るのは仕方がないと思う
そのような目標がないと上達しない
ある時期が来るとその有能感は頭打ちになる
その時点で幻想的有能感に頼らずに治療者として
存在できる人と
どうしても幻想に頼ってしまう人がいる
そこの違いも微妙なのであるが
自分の経験を『正しい』と感じる人と
相対的なものだと判断出来る人とがいるのだと思う
自分の経験を『正しい』と判断して生きている人は妄想症の人で
そのような人たちの精神内面ならば分析も説明もできるので
そうした系統の人なのだと思う
幻想的自己有能感に頼らず
しかし適切な向上の意欲を持ち
晩年を過ごして欲しいものだ