別れ方のうまい人

別れ方のうまい人

好きだっていったのは嘘だったの

どうしてそんなに気持ちが変えられるの？

男の人は気持ちが変わることもあると思うけど

もっと上手に別れてくれればいいのに

納得できないよ

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この件に関しては昔の話がある

話を分かりやすくするとしてたとえば
男は国際的に飛び回るタイプの公務員だとする
女はホテルのオーナーであるとする
愛し合ったとして
男が日本に滞在するときは女に会いたいわけだし
女もあれこれするのは大変なところもあるので
自分のホテルに

宿泊してもらって
支払いは適当でいいということにしていたとする

そして決まりの通り男が逃げだそうとして女が怒る

このとき女は相手が公務員で訴訟沙汰などが一番困ると分かっていたので
ホテル代を踏み倒したといって
裁判を起こした

男にしてみればホテル代をただにしてあげるといったような誓約書があるわけでもなく
しかし宿泊記録には名前が残っていて
形式的には
宿泊したのに支払っていないということにはなるらしい

世の中には
女を怒らせればまずいことになるという例はいくらでもあるのであって
この事件の時にも
わたしのまわりの大方の意見は
この男性は別れると決めたら、女が何とか納得できる状況を作ってあげないといけなかった、
そんなことができないで火遊びなんかするものではないというもので、
しかし、勉強のために教えて欲しいが、
いったいどうすれば女は別れを納得するものなのかと尋ねても、
はっきりした答えはなかった。

いろいろな痛い経験を繰り返して初めて、
別れ方というものも体得できるのだろう

わたしを愛しているから別れるのね
別れることが愛の一番素晴らしい形なのね
あなたを愛しているからわたしは別れられるのだわ
一番深い愛の形として私たちは何もなかったことにして別れるのだわ

などと
自然な形で納得してもらうのが
男の技術というものだ

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ついでにいうと
そのあとで男にはもう一つ関門があって
しばらく留守にしていた本宅の本妻にどう納得してもらうかで
これはこれで難問である

上記の二つの難問を解く自信のない人は浮気をしてはいけないという結論になる