群性行動と自閉症

群性行動と自閉症ということを考える

小魚のビデオ映像を見たりすると
驚くのだが
大群が同じ方向に泳いでいて
突然、何の理由もなく向きを変える
それ自体が面白いが
その群れの動きに追いつけないで
うっかりして
従来の方向に直進する魚がいて
それを内村祐之先生はSchizophreniaと呼んだ
いまでいえば自閉性障害にあたる
アスペルガーというのは
うっかりして直進してしまうのだけれど
気がついたら猛スピードで泳いで追いつく
しかしまたすぐに群れからはぐれる
それでもまた追いついてしまう
そんな魚
統合失調症の魚は群れの先頭にいて
方向を決めている
あるいは極めてはじっこの方にいる
真ん中にいるのは息苦しい
双極性障害は群れの真ん中にいて
となりの魚の様子を探ってばかりいる
真ん中にいればいいと思っている魚だ
私はこんなふうに考えているので
魚の精神医学が成立すると信じていて研究に着手している
(が、全然進んでいない)
それらの精神医学的な性質は
極めて生物学的で
魚の頃からすでにある性質である
そしてそれぞれが群れにとっては必要なのである
それぞれのパーツがあって初めて群れとしてうまく機能するのだ
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なぜ最近になって
自閉性障害が多いのかというと
自閉性障害は群れることを必要としない進化の段階に入った生物の行動である
周りなんか気にしないで生きてしまう
それで生き延びられる程度の豊かな社会ではかならず発生する
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生物の時間に
単細胞生物というのを習うと
ある種の単細胞生物は
環境が不適合だと集合して大きな生物体の部分細胞として働き
たとえば人体の中の肝臓細胞のようなもの
環境が豊かで楽に生きられるようだと単細胞で生きるようになる
自閉性障害はこれです
豊かな社会で単細胞として生きてしまおうとする人
進化の方向としてはそっちだと思う
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自閉性障害と統合失調症の違いは
瞬間の写真では分からない
端っこにいるという点では
共通である
動きを見ていて
群について行っていれば統合失調症
群れの動きに遅れて曲がるのが遅れているのが自閉性障害で
観察しているとすぐに区別がつく