役人の天下りについて毎日ニュースである
その前提として
学生の人気が官僚に向いていないのはしばらく前からのトレンドである
官僚出身者に天下り後の大活躍ができるのかといわれればそれは怪しい
の二点がある
もし依然として学生の一番人気で官僚が国家を支えているという雰囲気があれば
天下り程度は見逃されるはずである
何しろ、天下りも約束のうちで入省して、そのあと約束を反故にされて、天下りがなくなるのだから、
それは約束違反である。
そう言われないで、役人は優遇されすぎていると、マスコミから叩かれているのだから、
その威信の低下が分かる。
もし役人が非常に優秀な人材で、退職後も引く手あまたであれば、
何も問題はないはずである。
引き受ける側の受け皿が、そんなに金は出せないと渋り始めているのだろう。
本当に仕事のできる人ならば、組織を数年で辞めて渡り歩くなど、
つまらないことを喜ぶはずがない。
省庁の許認可権は低下して、さらに護送船団方式もなくなり、それぞれで工夫してくださいというからには、
パイプとしての天下り役人は必要がなくなるはずのもので、
麻生首相は天下りを根絶するなどとも言えるのは、企業が天下りはいらないと結論を出したことの反映でしかない。
政治のリーダーシップではない。
なにしろグローバル化で、アメリカの要望で政治は決まるのだし、
規制の内容もグローバリズムで国際的に足並みをそろえるならば、
天下り役人なんかいらないはずで、
その場所にむしろアメリカの政府内部事情に通じた人間を置いた方がいいだろう。
企業の声に国民の声が重なったものだから政局に都合がよかったわけで、天下り廃止の合唱となる。
お役人も二種類いて、
まじめなクリスチャンを絵に描いたような夫婦もいれば、
実家の企業の役員にしてもらって、収入は有り余るほどある夫婦もいる。
天下り廃止になってもどちらのタイプも別に困りはしないだろう。
学生たちが、役人は厳しそうだから外資の方がいいかななんていうのはもうしばらく前からの傾向で
天下り問題などは本質ではない。
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総じて、問題が大きいから、天下りを禁止して問題を解決しようという話ではないのだ。
もう官僚の力は弱くなっていて、将来はもっと弱体化するだろうと見込まれていて、
だから、こんな話が出てきてしまうということだ。
強くて悪さをしているからとどめるのではなく、
弱くなって目立っているからいじめるのである、血祭りに上げるのである。
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さて、問題は、未来の設計図を誰が描くのかである。
充分な情報を持ち、情熱を持ち、知性を持ち、公平に、未来を構想することのできる人は、
どこにいるのだろう。