「精神療法家の仕事」成田善弘-4

画家ドガと詩人マラルメ
ドガはよい詩を書いた。
ドガがなかなか詩がかけないでいるとき、
マラルメに話した。
「アイディアで一杯なんだが、ちっとも書けない」
マラルメはいつもの静かな様子で
「だけど君、詩というものはアイディアで作るものじゃないんだ。言葉で

作るものなんだ。」

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言葉は色つきのレゴブロックである

翻訳してもそれなりの美しさになるから
アイディアが大切なのだと
思ったりもする

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詩にも
アイディア系と
言葉系があることは
かなり明白だ

短歌でもラップでも
リズムだけが大切な場合もあり
一方で
鮮やかなイメージだけが大切な場合もある