先日大相撲で大麻所持で解雇処分になった力士が
自分の退職金約530万円を辞退した。
規則通りであれば、退職金は支払われるはずで、
以前に大麻所持で解雇処分になった力士には退職金が支払われている。
除名処分だと退職金も支払われないようだ。
今回の出来事は、マスコミからの圧力で、退職金はまずいだろうという空気になり、
すると除名かとも言われ、
しかし大麻所持の前例との関係でやはり解雇となり、
退職金は辞退させればいいということになったのだろうと思う。
自発的な辞退というよりは、圧力をかけた上での「自発的」と装った辞退であると思われる。
これでは法の支配とは言えないではないかと思う。
法の支配とか法治国家とかというのは
王の支配とか王権神授説とかそんな話との関わりのもので、
このような文脈で問題にするのもどうかと思うけれど、
決まり事を運用する技術というか作法というものが身についていないのではないかと思う。
誰かが、あるいはみんなが、「すごく怒っている」から
「今回はこうしよう」なんていうのは、いい社会ではないと思う。
すごく怒っている誰かにも間違いはあるかもしれないし、
多数決の中にも間違いはあるかもしれない。
法律が一時的に現実の早さに追いつかないことも多くあるだろう。
しかしそれでも、法律の運用というものは、このようなものであってはいけないと思う。