世の中を 憂しと恥しと 思へども 飛び立ちかねつ
鳥にしあらねば 山上憶良(やまのうえおくら)
(よのなかを うしとやさしと おもえども とびたちかねつ
とりにしあらねば)
意味・・世の中をいやな所、身が細るように耐えがたいような
所と思っても、捨ててどこかに飛び去ることも出来ま
せん。私どもは所詮(しょせん)鳥ではないのだから。
現実社会の苦しみにあえぎながら、それから逃れよう
もなく、結局それに耐つつ生きざるを得ないことを悟
った心を詠んでいます。
注・・憂し=つらい、憂鬱だ。
恥(やさ)し=身が細るように耐えがたい、肩身が狭い。
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「やさし」をこのように解釈していましたっけ。
鳥じゃないからねえと言うのは
確かにそうで
忘れたいことが多いのに
鳥じゃないから忘れられないのだとも言える。
でもね、鳥だとして、飛んでいったとして、降りるところはどうせ地上だと思ったら、
どう?飛ぶ気になる?
鳥が飛んで別の世に行けるというのなら別だけれどね。
古代の信仰ではそんな感じもあったらしい。
鶏は三歩歩けば忘れるというけれど
そのように忘れたいものだと思う