統合失調症のニューロン新生障害仮説-3

●これまでの仮説
●統合失調症の陽性症状の多くがドパミン系亢進状態と一致しており、アンフェタミンなどの覚醒剤投与により再現されることから、
統合失調症発症機序に関しては従来「ドパミン仮説」が有力視されてきた。

○そうなんですね。しかも、ドパミンを遮断する薬が効くわけだし。
○アンフェタミンによる統合失調症様症状誘発はいまでも大きなテーマだと思う。
○単にドパミン亢進だけではなくて、ドパミン感受性亢進が前段階としてあるのだろうと思う。

●しかしながら、この仮説は生化学的データや遺伝学的データと一致しない。
現在では、統合失調症の発症には脳の発生発達過程における異常が関わるとする「神経発達仮説」が趨勢を占めている。

●神経発達仮説を提唱したWeinbergerは、新生仔期に海馬を障害したラットでプレパルス抑制の障害や社会性の異常などが生じることから、これを統合失調症のモデルとして扱っている。このことを「ニューロン新生の障害ととらえる」ことが可能である。

○子どもの時に海馬を障害されたらずいぶんひどい脳障害が起こりそうだけれど、社会性の異常くらいですむものなのか?
○いずれにしても、はっきりしない話で、まだまだスペキュレーション。
○神経発達仮説というのは確かに関係していると思うけれど、それで全部なのか、怪しい。

●脳イメージングや死後脳の解剖学的解析所見から、統合失調症患者の脳では特定部位の容積減少、ニューロンの縮小や密度の増加などが認められる。

○それと神経発達仮説がどう関係しているかまったく雲をつかむような話だろう。
○脳の研究をしているのかと思ったら、脳の体積を計っているんだって。驚いた。と言われそう。
○変化があったとしても、それが統合失調症とどう関係しているかいないのか、怪しい。

●ニューロンの生存分化や神経ネットワーク形成に必要な分子の局在が、統合失調症患者死後脳で変化しているという報告が数多くなされた。しかしながら、これらの因子をコードする遺伝子と統合失調症との関連についてあまりはっきりとした証拠がなく、このような因子の変化は、二次的なものである可能性が高い。

○一般にその程度の評価になっている。
○ただ、遺伝子変化は、統合失調症の準備段階を形成しているのだろうと考えれば、「統合失調症の準備段階」とは何かを正確に評価できればよいのだが、それも簡単ではない。