統合失調症のニューロン新生障害仮説-8

●統合失調症関連遺伝子座とニューロン新生因子
●遺伝学的な連鎖不均衡法解析により、統合失調症に関連性の高い遺伝子座やそこに含まれる感受性遺伝子に関する研究が
全世界で精力的に勧められている。
●ニューレグリンは、統合失調症と関連性の非常に強いと報告されている8p21という染色体位置に存在する。
●ニューレグリン遺伝子は、選択的スプライシングにより、多種のグリア増殖因子を産生し、
オリゴデンドロサイトの分化やNMDA(N-methyl-D-aspartate)受容体の活動制御に関わることが知られており、
統合失調症患者家系でのプロモーター異変が報告されている。
●カルシニューリンもシナプス可塑性に直接関わる因子である。ヒト染色体上で統合失調症関連遺伝子座に存在し、実際に
統合失調症家系での変異や、ノックアウトマウスにおける統合失調症様の行動異常が報告されているため、
統合失調症のよいモデルのひとつと考えられる。
●しかしながら、統合失調症の関連遺伝子座は多数存在することから、ひの機能性疾患の発症メカニズムは複雑であることは想像に難くなく、数個の遺伝子で説明できるものでは到底ないと考えられる。

○到底ないだろうと思う、確かに。