オーブン付き電子レンジを使用した際、ペットのインコが死ぬ事故が相次いでいることが分かり、国民生活センターは8日までに、有毒ガスが発生していないかを調査し改善するよう、メーカーでつくる日本電機工業会に要望した。
センターなどによると、昨年12月、埼玉県の女性が新品のオーブンレンジに何も入れないで空焼きした後、オーブンとして使ったところ、近くで飼っていたインコ2羽が死んだ。同様の事故は2002年と1997年にも報告されている。
センターが大手メーカーに問い合わせた結果、4社の製品で同種事故が起きていることが判明。オーブンレンジ製造時に庫内に付着した油が焼け、有害ガスが発生した可能性もあるとみている。
同工業会は「オーブンの使用とインコの死に因果関係があるのかの解明も含めて、調査を進めたい」と話している。(記事提供:共同通信社)
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そうか、あれは有毒ガスか。
昔文学方面でカナリア理論などと言われるものがあった。
若い人は知らないかもしれないから説明すると、
炭坑でうっかりすると作業員が酸素欠乏になるのだけれど、
カナリアを坑道につれて入っていれば、
人間よりも先に酸素欠乏の症状が出て、
ぱったり倒れるらしい。
それで、酸素欠乏敏感探知機として使っていたのだそうだ。
それを比喩的に使って、
一般市民がまだ苦しがっていない、
社会の不全や息苦しさについて、
文学者はカナリアのように、
敏感に察知して訴えるというものだ。
カナリアという存在自体がはかなげで、
歌を忘れたカナリアは、というイメージもあり、
好まれた比喩だと思う。
実際、新品電子レンジの空焼きで有毒ガスが発生、その結果インコが死んでしまうとすれば、
人間も参考にしたほうがいい。
鳥は体が小さいから、毒を分解する能力も小さいのだろうか。
しかしそれならゴキブリはどうなのだろう。
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私見では、鳥は異動が容易にできるので、悪い環境に我慢する必要がない。
植物の対極である。
とすれば、鳥は、悪い環境に対して敏感であるほど、よいことになる。
不快さが、最適の環境を選ばせるからだ。
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人間の行動のバリエーションは広く、
植物のように定着する人から
鳥のように移動する人までさまざまだ。
移動する人は、環境の悪さに敏感なのであって、
我慢が足りないというのでもないことが、インコやカナリアの例で分かる。
移動能力を発達させるか、
解毒回路を発達させるか、
どちらでもいいらしい。
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人間の場合、化学物質過敏症が実際にあるものかどうか問題になる。
一家で新しい家に入居したら、
母と娘だけが幻暈(めまい)や吐き気、頭痛を訴える。
父と息子はなんともない。
一人だけなら、どうしたんだろう?で終わりだが、
二人だと、新建材が問題ではないかと疑いがかかる。
結局、よく分からない。
ガソリンのにおいなども、
好きだという人も嫌いだという人もいて、
反応が分かれる。