ただひとつの愛

いろいろな愛があると思っていたのは昔のことだ いまはただひとつの愛しかない 愛の手前の、愛に似たものはいくつかあったのだが 愛は、真性の愛は、ひとつしかない これから先も、あの時の愛は真性のものではなかったと思うことがあ … Read more ただひとつの愛


君しのぶ 草にやつるる ふるさとは 松虫の音ぞ かなしかりける

君しのぶ  草にやつるる  ふるさとは  松虫の音ぞ  かなしかりける あなたを偲び、草に覆われ見る影もなくなった、かつての二人の思い出の場所では、松虫の音がただ悲しく聞こえます 「しのぶ草」「松虫」の 「まつ」には 「 … Read more 君しのぶ 草にやつるる ふるさとは 松虫の音ぞ かなしかりける


罪悪感

わたしははじめて罪悪感を感じましたとその唇が語る もうそれを聞いただけでわたしは充分だ 私の人生のすべては報われた


あ、また、飛行機

私はときどき天井を見て たいていはあなたを見つめている あなたはたいていは自分の内側を見て没入し ときどき窓の外を見ている あ、また、飛行機 そう言う もう何度目だろう 始まりにはまだ明るかった 夕日がだんだんオレンジ色 … Read more あ、また、飛行機


手をつなぐまでが一番のドキドキだというならば

手をつなぐまでが一番のドキドキ あなたは本当の私を知らないから愛しているなんて言うだけなのよ と言うならば 手をつなぐ以前に、手をつなぐ以上のどきどきがあり 手をつないだ以後に、手をつないだ以上のどきどきがあることを ぜ … Read more 手をつなぐまでが一番のドキドキだというならば