ゲゼルの思想 資本主義でも社会主義でもない新しい社会 ポイント

エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」日本放送出版協会 1575円
という本がある。

児童向けの著作で有名なミヒャエル・エンデが晩年に構想していた経済の話。

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エンデは、シルビオ・ゲゼルという思想家に出会う。  
シルビオ・ゲゼルは、マルクスと同時代の人間で資本主義でもなく共産主義でもない、
もう一つの経済システム「老化するお金の理論」を考えた人物であり、スタンプ貨幣で有名。
インフレもデフレもなく流通する通貨制度の話。

ゲゼルが考えた自由貨幣は月に1%価値が下がる。持っていては無駄なので使う。経済が回るので失業者が減る。

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現在政府が企画している定額給付金について、
普段の生活費に使われてしまうと、結局あまり意味がないことから、
なにかアイディアはないかといわれ、
期限付きで使えなくしてしまえばどうかとか議論されている。
そのなかでゲゼルの思想が紹介されている。

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成長を前提にし、成長を強制する性格をもつ現行の金融システムが、現代の矛盾を生み出している根本原因

簡単に言えば利息が問題だ

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アマゾンの紹介を採録すると、

「パン屋でパンを買う購入代金としてのお金と,株式取引所で扱われる資本としてのお金は,まったく異なった種類のお金である」。こう語りかける本書は,NHKで放送されたドキュメンタリー「エンデの遺言–根源からお金を問う」を1冊の本にまとめたものだ。
ドイツの作家であるエンデ(故人)は,「個人の価値観から世界像まで,経済活動と結びつかないものはない。問題の根源はお金にある」と提起する。エンデへの取材をもとに,彼の蔵書,貨幣社会の歴史を紹介しながら,現代の金融システムが引き起こす弊害に警鐘を鳴らすのが本書の目的だ。

本書では,事例や寓話を取り上げて,貨幣経済の仕組みと問題点を分かりやすく説明している。たとえば—。

豊かな漁師町に,貨幣経済の導入と一緒に銀行ローンもやってきた。漁師たちはローンで大きな船を買って,効率が高い漁法を採用。そのおかげで,ローンを返すためにたくさん魚をとり,結局最後には魚が1匹もいなくなる—。

貧しくても心豊かに暮らす人々の前に,時間貯蓄銀行から来たという「灰色の男たち」が現れる。男たちは人々から時間を奪おうとする時間泥棒で,「時間を節約して銀行に預ければ,利子が利子を生んで,人生の何十倍もの時間を持てるようになる」と言う。彼らの誘惑にのせられた人々は,余裕のない生活に追い立てられて人生の意味までも失ってしまう—。

こうした身につまされるストーリーは,「将来」を輸入する一方で環境を消費し,地球の資源を食いつぶす現代人に向けた痛烈な批判だ。資本主義経済におけるお金は,より高いリターンが得られる場所に移動し,その結果,利益はごく一部の人に集まり,一方で利益を奪われ続ける多数の人々が存在する結果になったという指摘もうなづける。

お金を銀行に預けると利子が増えるというのが現代の常識だが,本書では面白い事例が紹介されている。世界大恐慌直後のオーストリアのある町では,お金を保有していると1カ月ごとに価値が1%減少するという金融制度を導入し,経済活動を活性化させたという(最後は国家権力が制度を廃止させた)。プラスの利子は短期的な利益に向かい,マイナスの利子は長期的で人間の豊かさをもたらす有意義な投資に向かうというのは,現代社会の中に生きている我々にはなかなか思いつかない発想だ。

お金の病にかかっていると指摘するエンデの予言は,とりわけ日本の経済状態を厳しく批判しているように感じた。本題の解決を先送りして,国と地方を合わせた長期債務残高は先進国の中でも最悪で,GDP(国内総生産)をはるかに上回っている。「人々はお金を変えられないと考えているが,それは違う。お金は変えられる。人間がつくったものだから」という本書の主張に,現代人はいつ目覚めるのだろうか。

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ゲゼル で検索するとかなりたくさんの情報がある。地域通貨とか、マイナスの金利とか。
http://www.grsj.org/report/report/endenoyuigonsinario.html

食べ物でも衣類でも住宅でも、だいたいお金で買うものはみんな時間とともに価値が落ちていく。
それなのにお金だけは利息が付いて価値が上がっていく。
このあたりに資本主義が数%の経済成長を仕組みとして内包しつつ存在する根源があるらしい。
従って、
食べ物が腐るように、腐る貨幣を考えて、利息は付けない。
そうすれば、人々はその貨幣を手元に蓄えておかないでさっさと使うようになる。

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アメリカのイサカでイサカアワーがある。
利息が付かないので金利に苦しむことがない。
http://www.tradition-net.co.jp/door/door_esy2000/3tsuka.htm

貨幣は物々交換の不都合を回避するための単なる交換手段から始まったが次第に自己目的化した。つまり、貨幣の機能は交換手段と価値保蔵(利子の発生)とに別れてしまい、これらが矛盾しながら同居して存在している。貨幣を持っている者は時間とともにどんどん強くなり、持たないものは利息を吸い取られて弱くなる。

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現代では電子マネーが使えるので、
いろいろな新しい仕組みを考案することができるらしい。
新しい社会への突破口になればすばらしい。

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ポイントとかマイルなどは
利息が付かないし期限がつけば無効になるしで、
老化するお金の理論に近いかもしれない。

取引の一部にポイントを組み合わせることで、現在のお金に並行するものとして
もっと価値ある使い方ができるのかもしれない。

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日本でも二宮尊徳が農民に無利子貸付制度を作ったとのこと。