秋を經て 月をながむる 身となれり 五十路の闇を なに歎くらむ 前大僧正慈圓

秋を經て 月をながむる 身となれり 五十路の闇を なに歎くらむ 前大僧正慈圓
あきをへて つきをながむる みとなれり いそじのやみを なになげくらむ
秋を何年も経てやっとしみじみと月と向き合うことができるようになったが、
五十になってもまだ煩悩の闇の中にいる。
しかし何を嘆くことがあるだろうか。煩悩の中に生きること以外に生きることはないのだから。
煩悩のままでよし。