雲はみな はらひ果てたる 秋風を 松に残して 月を見るかな 

雲はみな はらひ果てたる 秋風を 松に残して 月を見るかな 
                藤原良経(ふじわらよしつね) 
(くもはみな はらいはてたる あきかぜを まつにのこして
 つきをみるかな)
最初は 秋風が松に残るというのは何のことかと考える
秋風が松のあたりに引っかかっているというのかな
雲をすっかり払ってしまった秋風
その秋風が松に残っている
そして澄んだ月を見る
秋風が雲を運んで行ってしまってくっきりとした月なのだろうが
やはの「松に残して」はよく分からないと思っていたら
これは家康が義経に関して何か言っている歌なのだという
徳川家康は武士が読書する目的は身を正しくせんがためであると言って、
源義経が滅んだのは歌道に暗く「雲はみなはらひ果てたる秋風を・・」の
古歌の意味も知らずに、身上(しんしょう)をつぶして平家退治に没頭した
ためと言っているらしい。
雲はみな=敵、辛いこと。
はらひはてたる=取り除く。
秋風を=味方。軍資金とか有能な部下、作戦、知識・・などなど。
松に残して=味方が育つまで忍耐強く待つ。
月を見る=勝って心地よい気分になる。
つなげると
戦いに勝つにはそれなりの作戦が必要である。
敵の内情をさぐり内部の分裂を策し、敵の勢力を分散させる一方、
我が陣営は一人一人の志気を高め一つにまとめて戦いに望むことが大切だ。
勝てる体勢になるまで待って戦いを仕掛ける。
そうしたならば勝利して心地良い気分を味わえるものだ。
という意味なのだそうだ。
分かるわけないじゃん。
秋風が雲をきれいに掃除してくれたから月がきれいでいいな

というだけかと思います

和歌は小さなきれいを小さく歌う、そんなものと思いますが。