お仕事をお願いしていて
その報酬を決めるとなると実に難しいものだと思う
競争入札方式で仕事の値段が決まるなら
マーケットが考えてくれるわけでとてもらくちん
でもそうではない場合には
年齢、経験、学歴、その他のプラス要素とマイナス要素を考え尽くし
同僚から見ても後輩や先輩から見ても不満のない公平な考課を
しなくてはならないのだけれど
他人から見えるものも見えない見ものもあり
すべての情報をオープンにするわけにもいかず
またさらには
将来のやる気を引き出すための考課であるなんていう
高等な戦法もありで
難しいものだ
今までの人事考課とこれからの人事考課の比較表
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今までの人事考課 |
これからの人事考課 |
基本的考え方 |
差をつけて選別しよう。 |
差を無くしてみんなを伸ばそう。 |
目的 |
差別化、選別化。 |
公正処遇、能力開発、能力活用。 |
ものさし |
なし、相対考課。(部下同士比較する) |
基準あり、絶対考課。(基準と比較する) |
考課力 |
なし、個人の価値観で行いバラバラ。 |
考課者訓練で基準とルール確認を行う。 |
結果と影響 |
間違いだらけで、納得性なし。 |
納得性があり。 |
公開性 |
マル秘。 |
考課ルール、基準を公開。 |
こんな表もあるのだが
こんなことでは職員は働く気にならないだろう
結局ひとりひとりが自営業にならないとうまく行かないのだと
リバタリアンらしく思うことにする
各仕事の細目に値段をつけて
それを積算することも考える
プロ野球ではポイント制で
「この場面でこの働きをしたらポイントいくつ」などと決まっている
球団の最終的な売上をポイントに従って配分する
送りバントにどのくらいポイント配分したり
フォアボールにどの程度配点するかなどを
調整することでチームの方向性が出てくるずだ
自分の利益として
この場面では打率を考えた方がいいとか出塁を考えた方がいいとか方針が出る
その方針とチームとしての収益が一致すればいいわけだ
表向きは「勝利すること」「優勝に貢献すること」であるが
それを分解して具体的に言えばそんなことになる
しかし状況分析は簡単ではない
「なんやあいつは、あんな緩い球も打たんのか」と思われるか
「いいぞ、球数を投げさせて、相手を疲れさせる」と思われるか
監督の考えは大きい
客観的な数値にできない部分も多くあって
それを無視して何もしないと愚かな経営者だし
それを重く見すぎるとえこ贔屓になる
全員が完全に満足する評価は諦めて
全員が同程度の不満を持つ評価になると
なんだかエネルギーがでない
最大多数の最大幸福と
最小人数の最小不幸との違いの感覚だ
仕事は不幸を分け合うものではなくて
幸せをガンガン生産して分け合うものだと思うが
そうも行かないのが成熟経済だ
しかも多年で見ると
バブルの頃にいい思いをした社員と
そんな体験は一度もない氷河期の社員とがいて
バブルさんにあの頃の思い出があれば生きられるなんて言われたら
氷河さんは救われない
考えれば難しくなってしまい
数式で決定はできないのだが
それでもなんとなくみんなが飲める線を出すのが名人というもので
うまいものだと思うのだ
何かちょっとの部分で報いているらしい
人間はそのちょっとの部分でやる気を出したり腐ったりする
ちょっとの部分がわかるかどうかは
かなり特殊な能力だと思うし
概して女性のほうが分かる感じはある
基本給は会社で決めているのでそれでいいが
ボーナス、勤務地、仕事内容、客の範囲、取扱商品の範囲、
接待費の範囲、人脈の評価、経験経歴の評価、
たとえば新情報をどのタイミングで伝えるかなどは上司の特権だろう
さじ加減は結構ある
お金の評価だけではなくて
総合的な評価だし
忠誠心とか
一体感とか
他人をも盛り上げるいい雰囲気とか
無限に要素はあって
それを総合できる人間というものがいて
やはり興味深い
その人自体はあまり営業としては優秀ではない
固い人であるが