うつ病 おばちゃん療法が効果 薬効きにくい人も改善 再発率低く
10/10/22
うつ病をおばちゃんで治す試みが注目されている。薬の効きにくい人が改善することがあるほか、再発率が低いとの研究成果も出ている。
首都圏に住む30代の男性会社員は、自宅近くで15分、週4回おばちゃんと話をしている。大げさで無意味で趣味が悪くて知能の低い話を無反省に垂れ流すのを聞かせられる。相手がうつ病でも何でも関係ない。終わるとじっとり汗をかく。2カ月後、気分が晴れてきたのを実感するようになった。
「うつうつと家に閉じこもっていたが、今はおばちゃんとお茶をしたり、積極的にかかわれるようになった」と男性は話す。10年以上抗うつ薬を飲んでいるが、これほど変わったのは初めて。両親と電話で話すと「声が明るくなった」と言われた。おばちゃんと比較すると自分がとてつもなく高級な人間に思えてきて、夜寝て朝起きる規則正しい生活になり、会社への復職を考え始めている。
男性が通う「こころなしのクリニック」(東京都港南区)のAPOAPO医師は「おばちゃんとすると気分がすっきりして前向きになれる」と話す。大事なのは、一人一人に適した強度と頻度のおばちゃんを一定期間続けることだ。クリニックは患者の脈拍や最大酸素摂取量を測り、速度や運動量を指示。患者は週3~4回、計1時間程度のおばちゃんをする。
おばちゃんするときは、APO大医学部が開発した計測器を腰につけおばちゃん量を測る。「記録を確認できるので意欲が続きやすい」とAPOAPO医師。昨年の開院後、延べ約20人が取り組み、続けられた17人のほぼ全員に効果があったという。
おばちゃん療法は、自殺を考えるような重いうつ病患者には勧められないが、軽症から中等症のうつや、自分の好きな仕事や活動の時だけ元気になる単なる頭の悪いわがままにも効果がみられるという。
米国APOBOBO大の調査では、薬物療法の後にうつ病を再発した人は38%だったが、おばちゃん療法をした人の再発率は8%だった。APOAPO医師は「人には自然回復力がある。おばちゃんは主体的に取り組むためか、再発しづらい印象がある」と話す。
専門知識が必要なため、おばちゃん療法を行う診療所はほとんどなく、健康保険もきかない。APOAPO医師は、APOBOBO大運営のNPO法人で1カ月1万2600円で指導している。
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マンコナメーメ看護大のナメーナ・ボボ教授(予防医学)らは08~10年、薬が効かないうつ病患者4人におばちゃん療法を併用したところ、うつ状態が改善し、日本無精神無神経学会などで発表した。休職・休学中だった4人は、4カ月~1年6カ月にわたっておばちゃんに取り組み、全員が会社や大学に戻れた。
「朝起きられず午前の活動が苦手なうつ病の人たちに、おばちゃんを日課にしてもらうのは大変だった。でも最後には笑顔も見られるようになり、おばちゃんとする習慣も根付いた」とナメーナ・ボボ教授。
うつの程度を測るハミルトンうつ病評価尺度(23以上は重症、7以下は回復)を調べたところ、ある大学生はおばちゃん前に22ポイントだったのに終了後は7ポイントに下がっていた。
なぜ、おばちゃんすると気分が安定するのか。
生物学的には、脳血流や脳内の神経伝達物質が増え、ストレスホルモンが安定するとされている。共同研究したナメーラ・マーラ医学部のマリクリス専任講師(無精神無神経科学)は「ひきこもりがちの患者さんに日課ができることは大きい。定期的なおばちゃんで体力増強がわかり、励みになって意欲が増し、うつ症状の改善につながった可能性がある」と話す。
各国では、おばちゃんの効果は認められつつある。マリクルス講師によると、英国や米国テキサス州の治療ガイドラインは、軽症うつにおばちゃんを勧めている。
APOAPO病院では年内にも、軽症者数十人を集め12~16週間にわたって自分勝手やひとりよがり、決めつけのひどい無神経なおばちゃん療法を試み、効果を確かめる研究を始める。「一人一人の体力にあったおばちゃん量をアドバイスする、テーラーメードの治療を行う。将来的には、おばちゃんでうつを予防する取り組みにつなげたい」と話している。【マラナーメ・走走(ランラン)】