インターネット依存症 家族や知人のことで困っている方へ

家族や知人のことで困っている方へ

 

 家族や知人がインターネット依存症かどうかを心配なさっている方も多いと思います。また、家族や知人のインターネットの問題で困っている方もいらっしゃると思います。
 この場合まず考えなければならないのは、本人はインターネットを減らそうと思っているかいないかということです。
 三つの場合に分けて、対処法を考えてみました。

 

(1)本人もインターネットを減らそうと思っている場合

 インターネット接続を非難や叱責するのではなく、本人の気持ちを理解して問題解決に協力していく姿勢が必要でしょう。
 参考文献のページにあるような書籍を参考にするなどして、どのように解決していくかじっくり話し合えれば解決に近づくと思います。
 このサイトを紹介していただくと、効果があるかもしれません。

 どのように取り組むにしても、本人の人格に問題があるのではなく行動に問題があるという考え方をすることが本人も周りの人も重要だと思います。
 たとえば、話し合いの最中に「インターネットをやりすぎです!まったくあなたはどうしようもないんだから!」などと言ってしまったとします。
 一文目には大きな問題はないでしょう。口調によっては問題だと思いますが。
 二文目には明らかに問題があります。本人の人間性を問題にしているからです。

 今の目的はインターネットに接続しすぎるという問題を解決することなのだから、その他の人間性の問題などはそれが解決してから考えればいいことなのです。それらを同時に解決することを目的にするとしても、先のような発言では解決に近づかないだけでなく喧嘩になります。
 当面はインターネットの問題にしぼって、じっくりと話し合いを進めることが重要でしょう。 

(2)本人は問題を感じてない場合

 この場合は「実際にたいして問題がない場合」と「問題がかなり進んでいるにもかかわらず、自分の行動が異常なことがわかっていない場合」の2つに分けられると思います。
 その判断はどのようにすればいいのでしょうか。

 第1に本業に支障が出ているかどうか。社会人なら仕事、学生なら学業、主婦なら家事。これらの本業がネットによって阻害されているかどうかが問題になります。

 第2に健康状態に問題があるか。目が悪くなってきたり腱鞘炎になっていたり睡眠不足になっていたりすれば問題があるでしょう

 第3に客観的に見ても問題があるのか。本人のことをある程度知っている人や、あなたが親しい人に状況を説明してみましょう。インターネットのことをある程度知っている人がいいと思います。
 多くの方に「そのくらい普通ですよ」、「最近の人はみんなそうよ」などと言われたらきっとそうなのです。
 あなたから見て本人のインターネットに対する取り組みが普通でないように見え、本業や健康に支障があるように見えても、その問題はインターネットがなくても同じように生じていたのではないでしょうか。つまりインターネットに問題はないのです。
 この場合、あなたからインターネット以外の活動を誘ったりするくらいでいいのではないでしょうか。

 さて、多くの人から見ても異常にインターネットに接続しすぎているなどと思われた場合。
 インターネット依存症といえる可能性が高いといえます。

 この場合、まず必要なのは本人に「問題」だと気づかせることです。本人が問題ないと思っていたら状況は変わりません。
 可能ならば本人がインターネットに接続している時間をメモしておきましょう。一週間で何時間アクセスしているでしょうか。きっと本人が考えてる以上の数値が出ます。それが不可能ならば、部屋に閉じこもっている時間をメモしておきましょう。
 また、どんなときにアクセスが増えるか、アクセスしていないときの様子はどうかなど、いろいろなことをメモしておきましょう。
 おちついて話せる時間にそれらの事実を知らせ、本人がどう思っているかを聞いてみます。叱責や非難する態度ではじっくりと話せなくなるのでそれはやめておきます。本人のことを心配している気持ちを落ち着いて伝えましょう。
 たとえ本人の行動が変わらないとしても、本人が「たしかに問題だ」と思えば大きな前進なのです。  

(3)本人が小学生や中学生の場合

 この場合、インターネットに長時間接続しているというだけでかなりの問題があると思います。
 ほかに学ぶべきことがたくさんあるのに、それが学べないということが一番の問題です。
 早急な対応が望まれると思います。
 ただし本人が納得しない状態でパソコンの使用を禁じたり、接続コードを捨てたりするのは逆効果だと思います。

 まずは本人とゆっくり話ができるような雰囲気の時に「私はあなたのことを心配している」というメッセージを伝えましょう。
 本人が自分もまずいと思っているというなら、どうしたら減らしていけるかじっくり話し合えばいいと思います。
 本人は問題がないと思っているなら、(2)と重複しますが、本人に問題だと感じさせる必要があるでしょう。
 そして、パソコンの使用時間を制限する方向に持っていくことを目標に話し合いをしていってみてはどうでしょうか。インターネット以外のことの魅力や必要性を知らせる方向に持っていくといいと思います。

 使用時間を制限するということに本人が納得したとしても、その制限時間を守れる人は少ないでしょう。例えば「これから1日3時間は勉強しよう」と決めて、だれの助けもなしにそれをその通り実行できる小中学生がどのくらいいるでしょうか。
 ですから、その制限時間を本人が守れるように助けていく必要があると思います。
 いろいろな方法があると思いますが、曜日ごとの毎日のスケジュールを決めて、その通り実行できているかどうかを見守るというのがごく一般的な方向かと思います。

 
 小学生や中学生に個人のパソコンは必要ないと思います。
 誕生日やクリスマスのプレゼントなどにパソコンを検討している方は、再考していただきた
いところです。パソコンをプレゼントするよりも、興味を持っている分野の書籍などを贈る方が有意義ではないでしょうか。一般の書籍ならばパソコン一台の値段で100冊くらいプレゼントできます。ご検討ください。

 家族でパソコンを共用している場合などは1日のパソコンの使用時間を使い始めの段階でしっかりと決めておくべきでしょう。
 大人でさえはまってしまうパソコンに対して、小中学生が無制限に使えるというのはどう考えても問題があるといえます。