踊る

タンゴとは前戯をいつまでものばす技術である

通常は
交感神経の高まりが絶頂に達し
副交感神経の高まりと交代するのであるが
タンゴではいつまでも交代しないように
延々とのばしている
どうして我慢しきれるのか
不思議であるが
その交代が終わったあとの感覚を知るほど
のばす技術にこだわるようになる

女性をあんなハイ・ヒールで踊らせること自体が
何かを意味していると思う
いけないことだ

女性がマスターベーションするとき
たぶん筋肉を伸展させる人が多いのではないかと思う

なぜそのような配慮を男性がしないのかいまだに分からない

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男性は若いほど自分のやりたいときにやっていいはずだと自然に思っている

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男性がリードする規則も不思議なものだ

それはたぶん男性がやる気にならなければ
それは始まらないという事情に発しているだろう

女性がやる気になっても
無駄に終わることが多い
それはダーウィン的に説明できることだ

女性はやる気になるだけではなく
男性をやる気にしなければならないという複雑な事情が絡む

男性は女性のやる気をあまり気にしなくていいというのが
伝統的な若者の態度である

年を取るとそうではなくなるのであるが

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年を取るとはまさにそのこと
タンゴのダンサーのように
女にも気持ちというものがあるだろうと知ること

光源氏も晩年になってそんなことを知る

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チェ・ジウが高校生の服装をしてヘアバンドをして見せたとき
非難ではなく喝采が起きた
何が起こったのだろう

高校教師で桜井幸子は何歳だったのだろう

年寄りには17歳も25歳も39歳もさして変わらないという面がある
若者にとっては大変な違いだろうけれど
母親と娘がいてもほぼ同じ視線で見ることができる
その境地が年寄りというものだ

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年寄りがテニスをして結構強かったりする
年寄りがダンスをしてなかなかうまい
年寄りには味があるのだ

確かに複雑な味だわ と 声がする