先輩は書きました
祖母のこと
私の祖母は、明治38年田舎に生まれ、82歳で大往生するまでそこで過ごしました。
年少時、父を事故で亡くし兄弟も多かったこともあって暮らし向きも大変だったとのこと。
昔のことで十分な学校教育を受けることもなく、20歳前に農家である我が家に嫁いできました。
6人の子宝にも恵まれましたが、戦争もあって一生苦労の連続だったようです。
年少時、父を事故で亡くし兄弟も多かったこともあって暮らし向きも大変だったとのこと。
昔のことで十分な学校教育を受けることもなく、20歳前に農家である我が家に嫁いできました。
6人の子宝にも恵まれましたが、戦争もあって一生苦労の連続だったようです。
学歴はなく、賢くきれいだと言われたこともないといつも笑っていました。
ある日、幼い私と一緒にお風呂に入ろうとしたとき、祖母は誤ってころんでしまいました。
そして私にこう言ったのです。「誰にも言うたらいけんよ。」
我が家で大事なことを決めるとき、世帯主である父は、最長老であった祖母に「それでいいかな、おばあさん。」と訊くのです。それまで黙って聞いていた祖母は、何を言葉にすることもなく、ただうなづくだけでした。
そこでその場はことなく終了。そんなことが繰り返されました。
にこやかな遺影が、いつまでも私の胸に微笑んでくれます。
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「誰にも言うたらいけんよ。」
「誰にも言うたらいけんよ。」