認知療法は上部構造を上部構造によって変化させようとしているので無理がある
認知という上部構造を変化させるためには
下部構造を変化させる必要がある
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また、過去に対する認知を変えるというが
過去に対する認知を変えるには
現在を変えることが第一である
現在が不幸だから過去が不幸に見えるのである
現在が幸福なら過去の解釈も幸福になる
成功者のすべての回想は
「あの不幸が私を磨いた」「困難が私を変えた」である
ーー
肝心なことは現在を幸せにすることである
現在の経済状態と対人関係を幸福にすることである
そうすれば認知変化は自動的についてくる
ーー
しかし現代の経済も対人関係も
人を幸福にしないらしい
仕方がないから
認知だけ変えようとしている
ーー
たとえばコップに半分水が入っている話
まだ半分あると考えるか
あと半分しかないと考えるか
それは認知の特性に関係することもあるだろうが
それだけではない
実際、水のほかにもワインもあるし烏龍茶もあるし
なくなったらまた冷蔵庫から出して継ぎ足せばいいしと考えれば
たいしたことはない
そうではなくて砂漠であと3日くらいしないと水のある場所に行けないという場合には
かなり深刻に考えないといけない
人間はいつでも「状況」におかれている
コップの水が抽象的に存在するわけではない
コップの水が半分しかないと悲観的に考えるのはスキーマが関係しているのだろうか
そうではなくて
現実の経済関係と対人関係が関与しているだろうと私は思う