かくばかり 惜しと思ふ夜を いたづらに 寝て明かすらむ 人さへぞうき 凡河内躬恒

かくばかり  惜しと思ふ夜を  いたづらに  寝て明かすらむ  人さへぞうき 凡河内躬恒
このように惜しいと思う秋の夜が明けてしまうのは残念なことで、それを無駄に寝て明け方を迎える人まで嫌な感じに思える
最後は 人さへぞ憂き の意味
憂し の用法としても あまり普通ではないように思う
そんな人がいるなんて私の心も憂うつで晴れないということになり 
疲れてすやすや寝ている人をつかまえて 寝ているなんて風流じゃないとは いいお世話だとも思うところだ
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らむ といっているので いま目の前で寝ているんじゃないわけだ 
今頃は寝ている人もいるだろうけれど と推量しているものらしい
でも、国語の教科書じゃあるまいし、いくら平安貴族が暇でも、そんなことはあるはずがない
平安貴族は退屈と軍人が嫌いなのだ
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こんなに素晴らしい秋の夜を 無駄に寝てしまう人もいるらしいけど あなたは違うわよね
寝ちゃう? わたしと逢う? 寝ちゃう人なんか、憂し